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熱中症対策のポイント
1.背景:発汗による体温調節の障害
- 高齢者では腎不全に伴う汗腺萎縮や皮膚乾燥の影響で、発汗が著しく低下する傾向がございます。
- 発汗による気化熱による体温調節が困難となるため、体温がこもりやすく、熱中症リスクが高くなります。
- 特に日常生活動作の低下した患者様では、自覚的な暑さの感受性や脱水への対応能力がさらに低下しています。
2.環境調整:扇風機のみでは不十分
- 汗をかけない患者様にとって、扇風機は空気を動かすだけで冷却効果が乏しくなります。
- 室内ではエアコンなどの冷房機器を使用し、直接的な温度管理を行うことが必要となります。
- 室温や湿度は患者様が自分で調整できない場合も多く、家族だけでなく看護・介護スタッフに積極的に相談しましょう。
3.冷却の工夫:市販の暑熱対策グッズの評価
| グッズ名 | 冷却作用 | 説明と看護師の指導ポイント |
| 濡れタオル・冷感タオル | ✅ 有効 | 水分が蒸発する際の気化熱で実際に体温を下げる効果あり。 首、腋窩、鼠径部など太い血管のある部位に使用すると効果的。 |
| クールネックリング (水で冷やすタイプ) | ✅ 条件付き有効 | 凍結または水冷式で熱の伝導により冷却。表面温度の低下に寄与するが、連続使用時間に注意。➡ 熱傷(低温やけど)の可能性 |
| ミント・メントール入り スプレー/ジェル | ❌ 体温は下げない | 冷感受容体を刺激し、「冷たく感じる」だけで実際の体温を下げる効果はなし。 |
4.外出時の対応
- 直射日光・高温環境での活動は避けましょう。
- 濡れタオルやクールタオルを「汗の代わり」として活用しましょう。
- 帽子・日傘の使用、日陰での休憩、水分補給を意識しましょう。
5.水分補給に関する注意
- 冷たい飲料による体温低下効果は一定程度期待できますが、患者様によっては水分量の上限管理が最優先される場合もありますので医師と相談してください。
6.まとめ
まだまだ残暑が続きますが上記のことに気をつけて暑い夏をのりきりましょう。
